血液型-性格関連説について

旧「血液型を書くのはやめましょう」ページ


本ページは、「血液型性格関連説」についての、心理学的な知見とそれに基づく考察を提供することを目標としています。

血液型と性格に関連がある、と主張する本は、世の中に数あれど、そうでない、と主張する本は、ほとんど一般の目に触れることはありません。せいぜい、関係者(要するに、積極的な支持派と懐疑派)が、どちらもイライラしながら目を通すくらいです。

これは、残念です。なぜなら、この問題は、いろいろな意味で面白いからです。

社会心理学者は、心と社会について、データに基づいて実証的に検討することを仕事としています。そして、自分の仮説を実験や調査のデザインにおとし、測定し、確かめるためにさまざまな技法を開発し、数多くのテーマに取り組んできました。ただ、このような「実証文化」は、いまいち日本には根付いていないようです。あげくのはてに、そんなことが測れるはずがない、と思われている始末です。また、「統計学的有意差」に関する一般の誤解も大きいようです。これはもったいない。人間や社会に対する実証的な分析と考察は、誰もが利用できる有力なツールなのに。

「血液型と性格の関連」は、世にはびこる「データ」を、健全で冷静な懐疑的精神を持ちながら自らが解釈する練習をする上で、格好のテーマだと私は思います。なぜなら、多くの人々がこれについて知り、またそれぞれの「仮説」を持っているため、共通の土台になるからです。

ですから、ここではあえて私は、一般に信じられていることに疑問を呈していきます。そして、血液型性格関連説の根拠のなさと、血液型による性格の決めつけの危険性を訴えていきます。専門家としてのトレーニングを受けた立場から、できる限りの正確さをもって、話題を提供していきたいと思いますので、賛成派のかたも反対派のかたも、ご一読のうえ、さまざまな本を盲信することなく自らで考えるための一つの材料にしていただければと思います。


「学問的な決着をつけるべきでは」という方へ−心理学の部屋−


「なんで「血液型と性格」って、問題なの?」という方へ−倫理の部屋−


「関係を示すデータがあるじゃないか」という方へ−統計学と科学的方法論の部屋−


「他の人の話も読みたい」という方へ


本ページは、旧「血液型を書くのをやめましょう」ページの1年間の経験を土台に、全面的に作り替えたものです。今まで、さまざまなご支持、ご批判のメールをいただき、ありがとうございました。さらなるコメントを歓迎いたします。ただ、時期によっては多忙のため、お返事を失礼する(した)ことがあることをお詫びいたします。全てのご意見は読み、改善の参考にしています。特に、誤解、記述ミス等発見されましたら、ご連絡いただけると幸いです。

[最新の更新履歴] 980110 いくつかの文章の簡単な訂正を行っています。また、ページの運営方針に関するメモを追加しています。


Copyright(C) 1996-1998 by Yasufumi SHIBANAI. All Rights Reserved.
このページはリンクフリーです。積極的にリンクしてくださって構いません。ただし、一応ご連絡くださることを希望します。また、ページの内容の無断転載、改変利用はお断りします。[このページの経緯と運営方針について]