シーザーサラダの歴史と現状


「アメリカで作られた最も偉大なレシピ」シーザーサラダの誕生には、なかなか面白いドラマがあります。

1924年7月14日の暑い夜、メキシコ・ティファナのホテル「シーザーズ・パレス」のことでした。ハリウッドからの客が、大挙してシーザーズ・パレスに押し寄せてきました。

時は禁酒法真っ盛り、パーティーのためにハリウッドから国境を越えて人がやってくることは珍しいことではありませんでした。

ただ、その日のシーザーズパレスは、大問題に直面しました。レストランのほとんどの材料が底をついてしまい、この大勢の、突然の客をもてなすには全く足りなかったのです。

このレストラン・ホテルのオーナーである、シーザー・カーディーニは、悩んだ末に、カートにレタス、ガーリックオイル、レモン、卵、パルメザンチーズ、ウスターソース、クルトンとコショウを載せて、客のいるダイニングの中央に進みました。

そして、鮮やかな手つきで材料を混ぜ合わせ、一つのサラダを作り上げたのです。

そしてこのサラダは、一夜にして伝説となり、西海岸に、全米に、そしてヨーロッパにまで広がっていきました。

1938年、シーザー・カーディーニはホテルを売り払ってロサンゼルスに移り住み、グルメストアをオープンしたそうです。そこは、古いワインボトルに入れられた彼のドレッシングを求める客で繁盛しました。10年後、彼と娘のローザは、会社を作り、瓶詰め、ラベル付きのオリジナル・シーザー・ドレッシングの販売をはじめました。このドレッシングは、いまでもアメリカ中のスーパーで手に入れることができます。

シーザー・カーディーニは1956年に亡くなりました。もちろん、彼のサラダは、いまでも全米で愛されています。

カーディーニの肖像つき"Original Caesar Dressing"


[番外編:異説をいくつか]

上のストーリーは、複数のソースの共通する情報なのでたぶん大丈夫だとは思いますけれど、いろいろと他の説も聞いたことがあるので、ちょっとご紹介。