『われらの子ども』訳注の追加・補足等
文脈でわかるであろう部分については省いたものがありますが、いくつかについてはここで補足的に(落ち穂拾い的に)説明をします。また、訳注に載せ落とした『孤独なボウリング』への参照についても追加します。ページ・行番号等は第1刷時点のものです。
【第1章】
- [P10L3]【オタワ郡】アメリカで州の下の行政単位が郡(カウンティ)である。cityやtownはその下にある。
- [P31L18]【ゲーテッド・コミュニティ】門(また塀)によって域外と区切り、安全の確保等をねらった居住地域を指す。ゲーテッド・コミュニティの増加の様子と居住のあり方の変化が社会関係資本に与える影響については、『孤独なボウリング』第12章(訳書254頁〜)を参照(本書でも扱われる居住分離そのものについては253頁〜)。
- [P42L6]【「全ての人は平等に造られている」】"All men are created equal"(人はみな生まれながらにして平等である)は、第5章の舞台フィラデルフィアの大陸会議で1776年7月4日に採択されたアメリカ独立宣言の前文に掲げられている。
- [訳6]【ジム・クロウ】この人種分離制度と社会関係資本の関係は、『孤独なボウリング』第2章(32頁〜、南部の政治参加について)、第22章(446頁〜、社会関係資本への破壊的効果について)、第23章(462頁〜、その歴史的様相について)などで議論される。
【第2章】
【第3章】
- [P135L後5]【『スポック博士の育児書』】原書初版は1946年刊行。邦訳は暮しの手帖社より1966年刊行(本訳の出版経緯は大橋鎭子『「暮しの手帖」とわたし』(暮しの手帖社)にある)。
【第4章】
【第5章】
- [P217L9]【郡区】townshipは、郡(カウンティ)の下の行政区画の一つ。
- [P230L6]【スキットルズ】本来はカラフルなフルーツキャンディの名称。
- [P248L8]【フィリー】Phillyはフィラデルフィアの俗称。そもそもPhilという接頭辞には「愛する」という意味があるので、この表現は、多分に実際のありようとの矛盾を感じさせる。
【『われらの子ども』のストーリー】
- [P300L5]【フライドパーチ】パーチはスズキ目の淡水魚。エリー湖含む五大湖はパーチ(イエローパーチ等)がよくとれ、フライドパーチは典型的な料理の一つ。
- [P307L後5]【LOESS法】データの散らばる傾向をスムーズに表す曲線をあてる「平滑化」(スムージング)技法としてよく用いられる「局所回帰」の一つで、それぞれの対象点の周囲範囲において、対象に近い点ほど強い重み付けを与えながら多項式予測を順次あてはめていく手法。