孤独なボウリング(ロバート・D・パットナム著/柴内康文訳、柏書房) 邦訳者による補足情報提供サイト

【参考データ】日本における社会関係資本の傾向

同志社大学社会学部
柴内 康文


【注意】本文書は、柏書房『孤独なボウリング』のための訳者あとがき(解題)のために、収集、作成したが最終的に利用しなかった資料、データ群を、 関心を持たれた方の参考のために保存し、閲覧に供するものです。ワーキングペーパー以前の作業メモとお考えください。筆者(訳者)自身が本データを元に正 式な論文等を公刊する可能性があります。本文書の引用等を妨げるものではありませんが、内容は随時変更(特に追加)の可能性があることをご承知おきくださ い。


社会関係資本と日本の長期トレンド


union membership/turnout (Lower House) rates in Japan

労働組合組織率(推定)については労働組合基礎調査(厚生労働省)より。衆院選投票率については、明るい選挙推進協会の集計による(中・小選挙区の衆院選投票率のみをプロットし、多項式をフィットさせた)。投票率の最終端での上昇は2005年の郵政解散によるものである。


neighborhood association/hobby group membership/"no groups at all" rates in Japan

明推協調査(単純集計)による。1998年から2000年にかけて自治会への参加の急落(および「参加なし」の急増)が見られるが、これは質問項目のワーディングの変化(「町内会・区会・自治会」から「自治会」へ)による可能性が小さくないので、過大視をするべきではないと思われる。

PTA参加なども興味深いが、米国と異なり日本では父兄の「全員参加」的前提があるため、「参加率」のような定義は難しい。


Diffusion rate of "drawing-room suites" in Japan (as a proxy of home entertainment)

消費動向調査(主要耐久財)による。現在は測定対象になっていない。ピークは1981年。


blood donation rate in Japan

血液製剤調査機構による血液事業関係調査資料集より作成(もとは日本赤十字社資料 による)。献血率は、献血者数に対して住民基本台帳による人口で調整しているとある。1985年にピークを迎えたあとに一貫した落ち込みを見せている。な お、国内初の「エイズ患者の認定」が行われ、社会的注目を浴びたのがちょうど1985年である。なお、献血率は献血者数を人口で割ったものであると考えら れるため、人口構成の変化(献血可能年齢は現在16〜69才。1999年に64才から引き上げられた)、献血希望者数との関連(HIV、肝炎、vCJD等 により、スクリーニング基準が変化している)なども考慮に入れる必要がある。


"Akaihane: Communiy Chest of Japan"(affiliate of United Way Intenational) total donation /
CCJ total donation (adjusted for Consumer Price Index) (per 1,000yen)

単純な時系列比較はさまざまな理由でできないので、消費者物価指数(CPI)をデ フレーターとして利用し調整したものも示す(平成12年を100とした総合消費者物価指数による)。いずれにせよ70年代から80年代にかけて上昇を示し ているものも、成長は鈍化しその後一貫した低下を示す。CPI調整後のピーク年は1989年(平成元年)である。人口で除すことによって一人あたりの募金 額を算出することもできるが、結果は基本的に変わらない。そのピークも同年(220.41円)である。この時期はいわゆる「バブル景気」にあたるが、90 年代以降現在に至るまで、共同募金への寄付は減少し続けている。

 

各都道府県別の社会関係資本分布

Social Capital in the Japanese prefectures
(based on "social capital integrated index", appeared in Cabinet Office Qualty of Life Bureau(2003))

 

 

社会関係資本とprivatization

以下整理中


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